今回は『北斗の拳』ではお馴染みの、悪党がやられた時に発する「断末魔」「叫び声」に注目して紹介していきます。
独特の「断末魔・叫び声」が多く、気になる人には気になってしまう「あの声」にスポットを当て、「誰が」「どのシーン」で「何を叫んだ」のか・・・
「何?どうでもいい?」
・・・いや・・・読んでいただけたら楽しんでもらえるはずです。
北斗の拳とは
『週刊少年ジャンプ』で1983年から連載され、’84年にはアニメ化もされました。原作・武論尊(ぶろんそん)、漫画・原 哲夫による少年漫画で、幅広い年代から愛されています。
北斗の拳あらすじ
西暦199X年、世界は核の炎に包まれ全ての文明を破壊しつくし、世界は暴力が支配する恐怖と混乱の時代になっていました。
そんな時代に現れた北斗神拳の伝承者「ケンシロウ」。北斗の宿命を背負いケンシロウの旅が始まります。
断末魔・叫び声シーン
ここから、『北斗の拳』での戦闘シーンでの「断末魔」「叫び声」を紹介していきます。しかし、北斗の拳のストーリーの中でも悪役キャラが死ぬ場面ばかりとなりますので、残虐シーンを含みますのでご理解よろしくお願いします。
「ひっ!!ひでぶっ!!」| ハート
登場巻:究極版 1巻
登場話:「宿命の再会!の巻」
ストーリー:KINGの居城に辿り着いたケンシロウとバット。KINGの正体はケンシロウの胸に七つの傷を付けた南斗聖拳の使い手・シンでした。
シンの配下・ハートがケンシロウに襲い掛かります。ハートの体は特異体質で外部からの衝撃をすべて吸収してしまいます。
しかし、ケンシロウの蹴りの連打でハートの腹の脂肪を蹴り上げ、すかさず「北斗柔破斬」が炸裂します。ケンシロウが「北斗神拳の前には、おまえはただの脂肪の塊にすぎん!死ね」と言うとハートの体は内部から破壊され、ハートの断末魔が「ひっ!ひでぶっ!!」でした。
考察:「ひでぶっ」は『北斗の拳』での断末魔の王道です。何が王道かは謎ですが、北斗の拳の断末魔は?と聞かれれば「ひでぶっ」と答える方が多いのではないでしょうか?
「はぁひゃ~!!ひょ~ ひぇ・・・た・・・たすけてく・・・たわば!!」| マッド軍曹
登場巻:究極版 1巻
登場話:「マッド軍曹の巻」
ストーリー:選ばれた人間だけの国「ゴッドランド」を計画する集団GOLAN(ゴラン)。その集団の人さらいのトラックにリンの姿を見つけたバット。
ケンシロウはリンを救出するべくGOLANの元へ。リンを無事救出したケンシロウは「リンと同じ人間をつくりたくない」とGOLANのアジト「ゴッドランド」へ向かいます。
ゴッドランドでケンシロウを迎えたのはマッド軍曹です。マッド軍曹はレッドベレーの生き残りの強者ですが、北斗神拳の前では敵ではありませんでした。
首領である大佐(カーネル)の居場所をマッド軍曹から聞き出したケンシロウが、立ち去ろうとしたとき起き上がってきたマッド軍曹。しかし、ケンシロウに「殺されたことに気づかなかったようだな」と告げられたあと、内部から体が崩壊していくマッド軍曹の断末魔は「はぁひゃ~!!ひょ~ ひぇ・・・た・・・たすけてく・・・たわば!!」でした。
考察:北斗神拳恐るべしですね。最後の「たわば!!」は「たのむ」と言いたかったのでしょうか?北斗の拳での断末魔は、何気にコミカルですよね。
「はう!!あおおえ へげえっ」| 大佐(カーネル)
登場巻:究極版 2巻
登場話:「野望を断つ涙!の巻」
ストーリー:マッド軍曹を倒し、大佐(カーネル)の元へ向かうケンシロウ。大佐もまたレッドベレーの生き残りであり、南斗無音拳の使い手でした。
しかし、北斗神拳の前では通用しません。ケンシロウの「北斗壊骨拳」を受け、大佐の断末魔は「はう!!あおおえ へげえっ」でした。
考察:「北斗壊骨拳」を受けた大佐の断末魔の最中、「メキッ、ベキ!ベキメキ!ベコッ」と擬音が入っていますが、もう体が爆発しそうで怖いですね。
「ゲッ!!あ~!あ~!あべし!!」| ジャッカル配下(元プロボクサー)
登場巻:究極版 2巻
登場話:「怒り!地獄の果てまで!!の巻」
ストーリー:バットが育った村をジャッカルの軍団が襲います。駆け付けたケンシロウにジャッカルの配下が襲い掛かりました。
すぐさまケンシロウの「北斗断骨筋」がきまり、配下の断末魔は「ゲッ!!あ~!あ~!あべし!!」でした。
考察:断末魔の王道、第2弾「あべし!!」が出ました。なぜでしょうか?
この「あべし!」と前述の「ひでぶっ」、筆者のなかでは『北斗の拳』の断末魔ですぐさま思い浮かぶものといえば、このふたつのような気がします。みなさんは、どうですか?
「あっ!いて!!いて!いててて!!てはっ!!」| ジャッカル配下
登場巻:究極版 2巻
登場話:「狂犬ども死すべし!の巻」
ストーリー:逃げたジャッカルを追うケンシロウ。途中ジャッカルの配下を見つけ、北斗神拳をくらわし「おまえの体がジャッカルへのメッセージになる」と言い、逃がしてやります。
逃がされた配下は、ジャッカルの元に帰っていき「おれの体がメッセージになる」とジャッカルに伝えます。
すると頭が変形してきて叫んだ言葉は「あっ!いて!!いて!いててて!!てはっ!!」でした。
考察:時限爆弾のように時間差で爆発させることもできる北斗神拳は、やはりすごいですね。秘孔を突くことで血流に変化を与えたのでしょうか?
「あっあ~ あ~ あ~ あろ!!」| ジャッカル
登場巻:究極版 2巻
登場話:「死神は欺けないの巻」
ストーリー:ケンシロウに追われ逃げるジャッカルは、地底特別獄舎(ビレニィプリズン)に投獄される悪魔の化身(デニルリバース)を牢屋から出し、自分を兄と偽りケンシロウを倒させようとします。
デビルリバースは超巨体のうえに羅漢仁王拳の使い手でした。ケンシロウは「北斗神拳奥義 転龍呼吸法」を使い常人では30%しか使えない人間本来の力を100%引き出し、戦います。「北斗七死星点」で倒されたデビルリバースは、兄(嘘)であるジャッカルに助けを求め彼の体を大きな手で握ります。
「たのむ、助けてくれ」とケンシロウに懇願するジャッカルに、「得意の芝居でもう一度説得してみるんだな」と落ちていたダイナマイトに火をつけ足元に置いて立ち去ります。
ジャッカルの最後の叫びは「あっあ~ あ~ あ~ あろ!!」でした。
考察:北斗神拳ではなく自分の持ってきたダイナマイトで最期を迎えたジャッカル。しかも最期の「あろ!」は何を言おうとしたのでしょうか?ケンシロウいわく「やつらのために祈る言葉はない」とは、まさにその通りなのでしょう。
「あああ あわびゅ」| 牙一族息子
登場巻:究極版 3巻
登場話:「死すべし群狼拳!の巻」
ストーリー:マミヤの村を襲い、マミヤの弟・コウを殺した野党を倒すため、ケンシロウとレイは野党・牙一族の部隊を追います。
ケンシロウとレイの2人で牙一族の部隊を壊滅させ、最後の一人にケンシロウの「北斗千手壊拳」が炸裂します。野党の叫び声は「あああ あわびゅ」でした。
野党は「あわびゅ」と言っておきながら、爆発せずに「あれ・・・痛くも痒くもない」というとケンシロウに「しかし、きさまの命はあと5秒」と言われ「そんな・・5秒なんて、いや」と言っている途中でレイに「では、今死ね」と切り刻まれます。
考察:ちょっとコントちっくな感じでやられた野党ですが、痛みを感じないで死ねたのはある意味よかったのでは?と感じてしまいます。
「やつら やつら・・・ つらつら つららら らあ!!」| 牙一族息子
登場巻:究極版 3巻
登場話:「最後に笑う者!?の巻」
ストーリー:牙一族討伐のために本拠地へと向かう、ケンシロウ、レイ、マミヤ。そこにはレイの妹・アイリが捉えられていました。
アイリとマミヤを人質に取られ、ケンシロウとレイが戦うことになってしまいます。レイが「南斗虎破龍」の構えをとると、ケンシロウが「北斗龍撃虎」の構えで迎えます。
結果は相打ちとなり、2人ともが倒れ込みました。2人の生死を確認するために牙一族の息子たちが近づきます。
すると息子たちは次々とやられ、1人が首領に報告に戻ると「やつら やつら・・・ つらつら つららら らあ!!」と絶命しました。
聖極輪の構えは互いの秘孔を突き一次的に仮死状態になることの合図だったのです。敵をあざむき、危機を脱した2人。
考察:報告しようと話し始めたまま言葉が続かず、北斗神拳により内部からの破壊で飛び散りました。やはりコミカル要素満載です。
「バカ・・・おれじゃないるれ・・・ぱっびっぶぺっ ぽおっ」| ジャギ配下
登場巻:究極版 3巻
登場話:「死闘への旅だち!の巻」
ストーリー:ケンシロウはバットとリンをレイに託し、同じく北斗神拳を学んだ兄たちを探す旅に出ました。
旅の途中、通りかかった村で村人に拷問する野党と出会います。野党はケンシロウに銅像を指さし「あのお方の名前をいってみろ」と言いケンシロウは「しらんな」と答えます。
野党は大きなノコギリをケンシロウに渡し、これで村人の首を落とせと命令しました。ケンシロウは「これでひくのか?」と聞くと野党の頭に切りつけました。「こうか?」すると野党は「バカ・・・おれじゃないるれ・・・ぱっびっぶぺっ ぽおっ」と絶命しました。
考察:「ぱっびっぶぺっ ぽおっ」は、さすがに完全に作者の遊び心が入っていますね。「おれじゃないるれ・・・」この「るれ」って入れているのが伏線で「ぱぴぷぺぽ」にいく気ですよね。
「げうっ!!う~ぎゃあ!! あぎゃあ~!! あ~おごっ」「きさまの地獄が目に見えるわ!!はは・・・はばば ばわ!!」| ジャギ
登場巻:究極版 4巻
登場話:「怒拳四連弾!!の巻」
ストーリー:兄弟子であるジャギとの戦いが始まりました。しかし、ジャギの力ではケンシロウに遠く及ばず、最期の時を迎えます。
ケンシロウの怒りの拳が炸裂しジャギは「げうっ!!う~ぎゃあ!! あぎゃあ~!! あ~おごっ」と、昔ケンシロウにやられた頭が半分破裂します。
「きさまには、まだ2人の兄がいることを忘れたか」「きさまの地獄が目に見えるわ!!はは・・・はばば ばわ!!」と負け惜しみを言いつつ絶命しました。
考察:同じ北斗神拳を学び、ラオウ・トキ・ケンシロウとの兄弟(血の繋がりはない)でありながら、こんな雑魚キャラ扱いの死に方をするところが、ジャギらしさという事なのでしょうね。
最期の時まで何ひとついいところの無い、北斗4兄弟の3男「ジャギ」でした。
「うわっ うわああ うわらば」| アミバ
登場巻:究極版 4巻
登場話:「悲しき天才!の巻」
ストーリー:奇跡の村の噂を聞きつけ、兄・トキを探すべく村に訪れたケンシロウ。そこには、変わり果てたトキの姿がありました。
トキとケンシロウの戦いが始まります。しかし、そのトキはアミバが変装した姿だったのです。戦いのクライマックス、ケンシロウの北斗神拳奥義「斬悔積歩拳」が炸裂し、アミバは自分の意思とは関係なく足が勝手に動き、後退りしていきます。丁度そこはビルの上で、アミバは落下していきながら「うわっ うわああ うわらば」と叫びました。
考察:前述した「ジャギ」と同じ空気を感じる「アミバ」。やはり死に方もよく似ていました。最期の「うわらば」は「さらば」からもじったものなのでしょうか?
いや、そんなに潔くないのが「アミバ」でしょうね。
「あっ い!? うれえろお!!」| ザルカ(拳王親衛隊)
登場巻:究極版 5巻
登場話:「静かなる巨人!の巻」
ストーリー:トキの居場所がわかり、ケンシロウは鬼の哭く街カサンドラへと向かいます。カサンドラのウイグル獄長を倒したケンシロウはトキの元へ。
道中、拳王親衛隊のザルカとの戦闘になりケンシロウはザルカの刀を奪い、ザルカの顔の前に刀を突きつけます。ザルカは刀を両手で挟み、「首長盗刃術をたっぷり味わうがいいわ~」と叫びますがケンシロウは構わず顔に突きつけ、そのまま刺してしまいました。ザルカの断末魔は「あっ い!? うれえろお!!」です。
考察:こちらも、作者の遊びが感じられますね。「あいうえお」になっていました。そこに「ら行」を絡めることが多い気がします。
まとめ
『北斗の拳』断末魔・叫び声シーンを一挙振り返り!ということで、紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
戦いがメインの漫画だけに、殺され方がリアルに描画されています。この殺され方をするのは、雑魚の敵ばかりですけどね。断末魔・叫び声シーンで登場するのは脇役がメインで、基本的に本編でのメインとなる強敵(とも)は、妙にカッコいい死に方をしていました。
意味の分かりにくいコミカルな言葉を発して絶命するのも『北斗の拳』ならではですよね?そんな「断末魔」「叫び声」にも何だか愛着が湧いてしまいます。
楽しんで読んでいただけたのであれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
©武論尊・原哲夫/コアミックス 1983, 版権許諾証GX-702
AOZORAGEAR online SHOPの北斗の拳グッズはこちら