ここでは、漫画『北斗の拳』の中で登場するサバイバルシーンに注目して紹介していきます。「北斗の拳」は熱い漢たちの「愛」と宿命をかけた死闘がメインの漫画ですが、その道中の旅の中で、海は枯れ地は裂けた世紀末の世の中を生きるため、実は意外とサバイバルなシーンも多いのです!その部分に注目して見てみると新しい発見があるかもしれませんよ?
また、そのシーンが色々なことを想像させてくれます。キャンプ&アウトドアに絡めながらのシュールな世界をお楽しみください。
『北斗の拳』とは
1983年から『週刊少年ジャンプ』で連載された原作・武論尊(ぶろんそん)、漫画・原 哲夫による少年漫画です。
1984年にはテレビアニメ化もされ、爆発的な人気となりました。当時から30年以上経った今もなお、多数のファンがいる作品です。
『北斗の拳』 あらすじ
西暦199X年、世界は核の炎に包まれた。すべての生命体は絶滅したかに見えた。しかし、人類は滅亡してはいなかった。核戦争は全ての文明を破壊しつくし、世界は暴力が支配する恐怖と混乱の時代になっていた。
そんな時代に一人の男が現れた。彼の名前はケンシロウ。彼は古く中国より伝わる恐るべき暗殺拳「北斗神拳」の使い手でした。
旅の途中で出会ったバットとリンを連れ、当てのない旅を続けるケンシロウ・・・。しかし、その旅はケンシロウの胸に北斗七星の傷跡を付けた因縁の相手、南斗聖拳の使い手「シン」に繋がっていた。
ここから北斗の宿命の旅が始まります。
サバイバルシーン
ここでは、『北斗の拳』で登場するサバイバルシーンを一挙に紹介していきます。
種モミを村まで運ぶ
登場巻:究極版 1巻
登場話:「怒り天を衝く時!の巻」 「秘拳!残骸拳の巻」
ストーリー:旅を続けるケンシロウとバット。そこに悪党に追われる老人の姿がありました。彼の手には、一握りほどの種モミが。ケンシロウは老人を助けます。
老人は種モミを半年のあいだ探し回って集め、それを村に持ち帰り米を作るのだといいます。ケンシロウは彼を村まで連れていき、その場で別れました。
ケンシロウが村を出た後、先日の野党が村を襲います。気付いたケンシロウが村に引き返しますが、老人は野党の手にかかってしまいました。絶命の間際、老人はケンシロウに種モミを託します。
野党たちを倒したケンシロウは、老人の墓標を作り、そこに種モミを蒔きました。
考察:世紀末の世界では、食料を如何に確保するかが重要です。サバイバルに於いて、限られたその食料を如何に増やせるかの可能性を探りましょう。種モミから米を作るにはかなりの時間が掛かりますが・・・。
ですが、キャンプやアウトドアの際には、お腹が空かないようにしっかり考えて食料を持っていきましょう。
井戸から水を
登場巻:究極版 2巻
登場話:「一口のみずのために・・・の巻」「神に捨てられた村の巻」「怒り!地獄の果てまで!!の巻」
ストーリー:井戸が枯れてしまった村。そこは、バットが育った村でした。そこには親を亡くした子どもたちを育てるバットの育ての親でもある老婆がいました。
村にいた地質学者が水が出ると言っていた場所に、井戸を掘ったのだがそこには硬い岩盤がありそれ以上掘り進めることができませんでした。
村で育てられている少年タキは老婆に水を飲ませようと、野党たちの井戸に水を汲みに行き、見つかってしまったため、命を落としてしまいます。
ケンシロウは、ほんのわずかな水のために汚れない命を奪われてしまう、そんな時代に怒りを感じ、その固い岩盤を拳で砕きます。
考察:水は生きるのに必ず必要なものです。世紀末の世界でも水をしっかり確保しましょう。その際には野党に見つからないように充分注意して下さい。
しかし、キャンプやアウトドアをする際には、その場所で水が使用できるのかをしっかり調べ、使用できない場合には充分な水を用意して出かけましょう。
水を分け合う
登場巻:究極版 3巻
登場話:「死すべし群狼拳!の巻」「おまえは女の巻」
ストーリー:牙一族に命を奪われたマミヤの弟コウ。その無念を晴らすため、ケンシロウと南斗水鳥拳の使い手レイが牙一族のもとに向かいます。牙一族を倒し、コウの形見を奪い返した、ケンシロウとレイ。
村に帰る途中の岩場に腰かけ、レイが水筒を取り出し水を飲みます。レイは「飲むか?」と聞きながら、水筒をケンシロウに渡します。
考察:どこに出かけるときも水は必須です。世紀末、水がどこで飲めるかもわからない状況では水筒に水を入れて持ち歩きましょう。ちなみにケンシロウは水筒を持っていませんでした。
キャンプやアウトドアでも、少し周りを探索するときなどは、水筒を持って行くようにしましょう。
チョコを貰った兄弟
登場巻:究極版 3巻
登場話:「血ぬられた罠!!の巻」
ストーリー:マミヤの村で岩に腰掛けるレイ。それを眺めている兄妹にレイが声をかけチョコレートを手渡します。兄は貰ったチョコレートを半分に割りますが、うまく半分に割れず大きな方を妹に渡します。レイは「そうだ」と呟きます。
考察:レイのようにチョコレートなど高カロリーのものを携帯するのも、大切です。
キャンプやアウトドアに出かけた時にも、もしもの時の非常食にもなりますのでチョコレートを持っていきましょう。また、子どもにあげれば喜ばれます。
そしてレイにも妹がいますが、兄は妹に優しくなければなりません。
焚火をする
登場巻:究極版 3巻
登場話:「血ぬられた罠!!の巻」
ストーリー:ケンシロウとレイは、牙一族のアジトに向かいます。そこにマミヤも同行すると言い、着いていきます。
アジトに向かう道中、3人は焚火をしながら休憩をしていました。
考察:焚火は寒い時には体を温め、暗い夜には明りとなり、お湯を沸かしたり、食材を調理したりできます。
キャンプやアウトドアに出かけた時にも、焚火はとても重宝します。キャンプ場によっては、直火禁止のところなどありますので、施設のルールにしたがって焚火を行うようにしましょう。
また、火は火事の原因にもなりますので、火の扱いには充分に注意し、後片付けまでしっかりやりましょう。
水筒を手渡す
登場巻:究極版 3巻
登場話:「死闘への旅だち!の巻」
ストーリー:ケンシロウは義兄であるジャギを探し、マミヤの村から旅立とうとしていました。旅立つケンシロウにレイが水筒を手渡します。
考察:どこで水が飲めるかわからない、世紀末の世界では水を携帯するのは必須条件です。
キャンプやアウトドアの際にも、もしものための水筒は常備して出かけましょう。
食料との交換
登場巻:究極版 4巻
登場話:「乱を呼ぶ星の巻」
ストーリー:ジャギを倒したケンシロウは、ジャギからもう2人の義兄ラオウ・トキが生きていることを聞きます。トキを探すべく旅を続けるケンシロウ。ある町に立ち寄り、食堂でケンシロウはどこからか持ってきたガソリンと食料の交換を店主に持ち掛けます。
考察:世紀末の世界では、お金は何の役にも立ちません。どこかで使えそうなものを見つけたら確保し、自分の必要なものと交換しましょう。
キャンプやアウトドアに出かけた時も、もし足りないものがあれば物々交換できるかもしれません。
焚火をする
登場巻:究極版 5巻
登場話:「失われた北斗の男の巻」「死兆星の蒼光!の巻」
ストーリー:トキを救出したケンシロウ。トキとマミヤは、ケンシロウとレイが食料を探しに行っている間、荒野で2人を待ちます。夜になると焚火をしながら待っている2人、トキはマミヤにケンシロウ・ラオウ・ユリア・自分のことなどを話します。
考察:夜の焚火は、昔話をするにはちょうど良い雰囲気です。
キャンプやアウトドアでは、夜になったら焚火をしながら昔話に花を咲かせましょう。
家屋内でも焚火をする
登場巻:究極版 6巻
登場話:「暴虐!狗法眼!!の巻」
ストーリー:拳王侵攻隊がマミヤの村を襲う。。村にはリンとアイリが残っています。ケンシロウと別れて村に向かうレイ 。しかし、そこに現れたラオウとの勝負に負け、残り3日の命となってしまうレイ。
そこに遅れて駆け付けたケンシロウ、少し遅れてトキとマミヤも到着します。ラオウVSトキ、ラオウVSケンシロウの戦闘が行われますが、お互い痛み分けとなります。
その後、ケンシロウたちは、家屋で焚火を囲みながら休息をとります。
考察:この世界では、電気を発電する発電所も無くなってしまっているので、灯りも火なんですね。建物内で火を使うときには、換気をしっかりして二酸化炭素中毒にも気を付けましょう。
また、キャンプやアウトドアに出かけた際には、現地の状況を確認し、ランタンやろうそくなど焚火以外でも明りを取れる道具を持って行くことをおすすめします。
現代ではポータブル発電機なども販売されていますので、状況に合わせて準備しましょう。
アジトの確保
登場巻:究極版 7巻
登場話:「南斗の帝王!の巻」
ストーリー:かつて、ケンシロウの命と引き換えに、自分の両目の光を自ら奪った南斗白鷺拳(はくろけん)の使い手シュウ。彼は南斗の将星・サウザーに対抗するべくレジスタンスとして活動していました。
偶然か運命か、ケンシロウはシュウと再び出会いました。レジスタンスのアジトに招待され、ケンシロウも共に、聖帝・サウザーに挑みます。
考察:シュウのアジトはかつて地下鉄が通っていたであろう施設にありました。生活をしていくうえで風雨や寒さをが凌げ、建物が目立たないということでレジスタンスのアジトとしては最適なのでしょう。
キャンプやアウトドアでも、時期にもよりますが風雨や寒さを凌ぐために、テントやキャンプタープを適切な場所に設置することは、快適に楽しむために必要です。
木の上の鳥の卵を取る
登場巻:究極版 9巻
登場話:「妖気の邪拳!の巻」
ストーリー:これは核戦争が起こる前の話。トキもラオウも子どもの頃、トキが大木に登り鳥のタマゴを取ろうとしていました。ラオウが現れ「いい方法をみせてやる」と拳で大木をなぎ倒します。トキは、倒れた大木からタマゴを探しますが、タマゴがどこにもありません。
そこにジュウザが姿を現し、タマゴは彼の手の内に。ジュウザはラオウに「お前らしいやり方だ。必要以上のものまでとってしまう」と言い、ラオウの「きさまなら、どうするというのだ」の問いに対して「オレか?喰うだけ」とタマゴを喰らいます。
考察:タマゴを取るために木に登ったトキ、木をなぎ倒したラオウ、倒された木からタマゴを奪ったジュウザ、あなたならどんな方法でタマゴをGETしますか?
キャンプやアウトドアで何かをやろうとした場合、方法はひとつではありません。「どの方法が最良なのか?」と考えてみるのも楽しみのひとつですよ。
焚火をする
登場巻:究極版 11巻
登場話:「反逆の蒼き狼たち!の巻」
ストーリー:ラオウとの戦いを終えたケンシロウは、ユリアと2人どこかに旅立っていきました。
それから月日が流れ、バットもリンも大人になっており「北斗の軍」を結成し活動を開始していました。
そんな中、ケンシロウが再び戻ってきました。
賞金稼ぎのアインは幼い娘のアイリを連れ、ケンシロウを追います。アインは焚火をしてアイリを寝かしつけます。ケンシロウも、同じく焚火をしながら夜を過ごします。
考察:焚火の場面が多く出てきますが、やはり発電所も無く電気が無い時代には、夜になれば焚火をするのが普通なのでしょうね。
キャンプやアウトドアで、電気が通ってないところに行った場合は、焚火は必須になりそうですね。
岩盤を割り水を
登場巻:究極版 12巻
登場話:「ふたりの天帝!の巻」
ストーリー:ケンシロウやバットの仲間になったアイン。決着を付けるべく帝都に向かうケンシロウ。ケンシロウと元斗光拳の使い手・ファルコとの戦いが始まりました。
囚われの身となっていた天帝ルイとその双子の妹・リンが運命的な再会を果たします。しかし、そこはジャコウによって落とされた最下層の地下水脈を掘るための作業場でした。
ここから脱出するには、岩盤を割るために打ち込んである杭を更に打ち込み、水の力を利用して脱出しようと試みます。道具がない地下の作業場で、頼りになるのはアインの拳のみ。アインの命を懸けて岩盤を打ち抜きます。
考察:この地球には、地層の下に地下水が蓄えられている箇所がありますので、そこまで到達すれば水を得ることができます。ただ、岩盤にあたると非常に硬いため、そこから掘り進むのには非常に困難です。
キャンプやアウトドアでは、そこまでのことをすることは無いと思いますが、少しの知識として持っているだけでも、いつか何かの役にたつかもしれません。
まとめ
『北斗の拳』に登場するサバイバルシーンを一挙振り返り! ということで紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
北斗の拳の舞台は核戦争で国が滅亡し暴力が支配する世界で、生活自体がサバイバルです。戦いがメインで描かれていますが、所々に人間が生活するために必要な「水」「食料」「火」の大切さが描かれていました。
キャンプやアウトドアは楽しむために行うことですが、普段の近代化した生活では気付かない大切なことを教えてくれます。
普段の生活から離れて、キャンプやアウトドアを行うことで自然を満喫してみてはいかがでしょうか?
北斗七星は北の空に季節を問わずに見える星座です。キャンプをした夜には、焚火をしながら空を眺めて探してみて下さい。
「北斗の拳」と「キャンプ&アウトドア」「サバイバル」を結び付けて考察してみました。少しでもキャンプやアウトドアに興味を持っていただけたのであれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
©武論尊・原哲夫/コアミックス 1983, 版権許諾証GX-702
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